COUNSELING 総合カウンセリング

親知らず

親知らずとは

正式には第三大臼歯(=智歯)と言われる歯が「親知らず」です。
第三大臼歯は、生えないことも多い歯です。
理由としては、顎の中に存在するが生えてこない場合と、生まれつき親知らずがない場合があります。
また、生えてくる時期に非常に個人差があり、早い人では十代後半、遅い人では二十台後半に生えてきます。

【歯科豆知識】

オーストラリアの原住民の人々の歯は、上下左右一本づつの親知らずを含めて32本しっかり噛み合っています。
彼らの顎は日本人に比べてがっちりしています。
現在、健康な日本人成人の歯は28本とされています。
もちろん32本の歯がしっかりかみ合っているような人もいるでしょう。
しかし、食生活が変化し顎が小さくなっている日本人にとっては親知らずが存在することによるトラブルの方が増加しています。

親知らずによるトラブル

食生活の変化により現在の日本人の顎は、親知らずが生えるには十分な大きさではありません。
親知らずが変な方向に生えてしまったり、完全に生えないなどにより、親知らずの前の歯が押されて位置がくるってしまったり、周りの歯が不衛生な状態になったりします。
そのことにより、次のようなトラブルが頻発します。

親知らずが虫歯になる

親知らずの前の歯が虫歯や歯周病になる

歯並びが悪くなる

腫れて痛む

親知らずは抜いたほうがいい?

正常に噛みあっていて、日常生活に何も問題のない親知らずなら抜く必要はありません。
また、親知らずは保存しておけば将来的に移植や治療に使用できるという意見もあります。
しかし、親知らずの存在により、痛みや腫れなどのトラブルを起こしているような場合には、親知らずを抜いてその他の正常な歯の健康維持を心掛けたほうがいい時があります。
「抜いたほうがいい」場合は歯科医師と十分に相談してください。

顎関節症

顎関節症って何?

顎関節症とは、顎が痛かったり、顎を動かす時音がしたり、口が開かなかったり顎の回りで症状が起きる病気です。
また、耳鳴りや肩こり、偏頭痛、腰痛など、不定愁訴も顎を治すことによって症状が軽減すると言われています。
不適切な歯科治療後や、歯が抜けてそのまま放置した場合にも顎関節症が起こりますが、歯科治療経験がまったくない人にもその症状は起こります。
また、歯並びが悪い人はもちろん、歯並びが綺麗な人も顎関節症は起こるのです。

顎関節症の治療方法

マウスピースを装着し、関節を正しい位置に矯正する治療法や、中途半端に生えて、他の歯や骨の負担になっている親知らずを抜く治療法(口腔外科)があります。

顎関節症の予防方法

顎関節症の予防としては、歯並びを整える・咬み合せを整える(矯正治療)などの処置をし、関節の位置を正しく保つ方法があります。

口腔がん

日本では年間約6000人がかかり、約3000人もの方が死亡しているとされている「口腔がん」。
国を挙げてがん対策に取り組んでいるアメリカをはじめとする先進諸国では、早期発見、早期治療を徹底することで、罹患率は変わらず高いものの死亡率は減少傾向にあると言われています。
ところが日本はその逆で、罹患率も死亡率も年々増加する一方なのです。

口は、咀嚼(噛む)、嚥下(飲み込む)、声を出すなど人間が生きて行く上で重要な働きをする大切な器官。
歯を含め、口の健康は豊かな生活を送る上で欠かすことができません。
その大切な器官である口を「口腔がん」から守るためには、病気を正しく理解することが第一歩。
まずは「口腔がん」について説明しましょう。

口の中全体を口腔と言い、ここにできるがんを総称して「口腔がん」と呼んでいます。
「口腔がん」はできる場所によって『舌がん(ぜつがん)』・『歯肉がん(しにくがん)』・『口腔底がん(こうくうていがん)』・『頬粘膜がん(きょうねんまくがん)』・『口蓋がん(こうがいがん)』・『口唇がん(こうしんがん)』に分類されます。
部位別では『舌がん』が最も多く、次に多いのが『歯肉がん』となります。

発生頻度は、がん全体の1~3%程度と決して多くありませんし、他のがんとは違い、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんといえるでしょう。
ところが、一般の方にあまり知られていないため、進行するまで放置されてしまうケースが多く、亡くなられる方が急増しているがんでもあるのです。

口腔がんの5年生存率は60~80%と言われています。
初期症状のうちに発見すれば簡単な治療で治すことができ、後遺症もほとんど残ることはなく、5年生存率は90%以上との報告もあります。
しかし進行した口腔がんでは、手術により舌やあごの骨を切除してしまったり顔が変形したりすることがあり、そのため食事や会話が困難になり、日常の生活に大きな支障を残すことになります。
だからこそ、早期発見が重要になります。

痛みの少ない初期段階 痛みが出たら要注意

口腔がんの自覚症状で最も多いのが口腔内の痛み。
その他、しこり、腫れ、ただれ、出血、歯のぐらつき、口臭などが挙げられます。
しかし、初期の段階では痛みが少なく、痛みが出て来た時にはすでに進行しているケースが多く、舌や歯肉の盛り上がり、硬いしこり、なかなか治らない口内炎などの症状には注意が必要です。

主な原因 ~Risk factor~
喫煙 飲酒 その他
「口腔がん」が発生する最大のリスクファクターは、他のがん同様、喫煙です。喫煙者の口腔がん発生率は非喫煙者に比べ約7倍も高く、死亡率は約4倍も高いという報告があるほどなのです。 喫煙に次ぐリスクファクターとなるのが飲酒。特に50歳以上の男性で、毎日たばこを吸い、なおかつお酒も飲まれる方は最も危険です。飲酒時の喫煙は、たばこに含まれている発がん性物質がアルコールによって溶けて口腔粘膜に作用するため、よりリスクが高くなると考えられています。 喫煙、飲酒以外に、「お口の清掃不良」や「ムシ歯の放置」「合わない入れ歯や破れたかぶせ物のなどによる慢性的な刺激」「栄養不良」などもリスクファクターとして挙げられています。

日ごろから気をつけること

  • たばこ、お酒を控える
  • 偏食をせずバランスの良い食生活を心がける
  • 歯磨きやうがいを習慣化して口の中を清潔に保つ
  • 合わない入れ歯、破れたかぶせ物、治療していないムシ歯があれば放置せず、歯科医師の治療を受ける

進行したムシ歯をそのままにしていたり、合わない入れ歯を無理して使っていて舌や頬を傷つけていたり、口の中が歯垢や歯石で汚れていたりすると口腔がんが発生しやすくなります。
つまり口腔がんの予防で大切なことは、かかりつけの歯科医を持って、定期的な診療を受けることです。
ムシ歯の適切な治療、こまめな入れ歯の調整、ムシ歯や歯周病を予防するためのクリーニングなどを受けることでお口の中は清潔に保たれ、口腔がんのリスクを下げることにつながるのです。
それと同時にがんを寄せつけない生活習慣(タバコを吸わない、お酒を控える、ストレスをためない、バランスのよい食生活、適度なスポーツなど)を心がけましょう。

簡易口腔がん検診チェックシート

お口の中にただれがある。 白いできものがある。
治りにくい口内炎がある。 お口の中の粘膜がしみることがある。
お口の中にしこりがある。 お口の中の皮がはがれることがある。
舌がひりひりすることがある。 舌がざらざらする。
顎の下のリンパ腺が腫れている。 飲み込む時に違和感がある。
親知らずの周りが腫れることがある。